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Merry Christmas!

【ある孤高の人の生涯】

 詩 Dr James Allan Francis 関根一夫訳

この人は、小さな村生まれた。
母親は貧しい田舎の人。
育ったところも、世には無名の小さな村。
そして30歳になるまで大工、石工として働いた。

その後3年間、巡回の説教者だった。
一冊の本も書いたことはなく
事務所も持たず、
結婚もせず、自分の家も持っていない。
大学にも行かず
生まれた所から300キロ以上は出たことがなく、
偉人には付き物の「業績」もなく
人への紹介状も持っていなかった。
あるものといえば、自分を見てもらうことだけ。

彼がまだ33歳の頃、この世の権力者たちは、この人に敵対し始め、世間
もそれに同調した。
この人は、自分の仲間に裏切られ、敵の手に渡され、ののしられ、引き
ずり回され、十字架に釘付けにさた。そしてその十字架は二人の犯罪人
の間に立てられた。
友だちはその場から逃げ去った。
十字架の上にさらし者にされ、まさに死につつある時、死刑執行人たち
は、地上における唯一の財産だった彼の上着をくじ引きして分け合って
いた。
息を引き取ると、その死体は十字架から降ろされ、借り物の墓に横たえ
られた。
ある友人からのせめてものはなむけだった。

この出来事から二千年の月日が流れた。
今日、この人は、人間の歴史の中心であり、前進する人類の先頭に立っ
ている。
今までに進軍したすべての軍隊、かつて開催されたすべての議会、かつ
てその権力を振るいながら統治したすべての王や権力者たちの影響力を
全部まとめてひとつにしても、人類への影響の大きさとその偉大さにつ
いては、この一人の気高い生涯には到底及ばないだろう。

※武注 原詩(英語)もあります。
by oguni-folke | 2014-12-25 08:15
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