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もう一つの終戦記念日

「武、ここだけの話だけれど、父が死んだ。それがどうも米軍ではなく、日本兵に殺されたらしいのだ。」

防空壕を掘る2人組のもう一人、沖縄出身の○○君が狭い壕のなかで、声を潜めて言った。
ときがわで父から聞いた話。

沖縄慰霊の日が近づいた。終戦の日といえば8月15日だと思っていたが、それだけでは間違いだと知ったのは大人になってから。ちょうど6月の今頃、沖縄は激戦のさなかで、ほんとうに多くの人たちが亡くなった。

ひめゆり部隊の少女たちは、母と同世代。戦後5年たって、その悲劇を組合で呼んだ沖縄の人から聞いたという母(当時小学校の教員)は「嘘だ!」と思ったのだという。その話に私は驚く。子どもたちに教えていた教員が、5年も沖縄を知らなかったということに。

それから67年(三分の二世紀!)がたっても、ヤマトの私たちから「オキナワ」ははるかに遠い。その悲しみや痛み。
by oguni-folke | 2012-06-20 05:19
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