悲しくてやりきれない

今日は音楽の話

私の中学時代(杉並・和田中学)は、70年安保前夜の、学生運動が激しくなり始めた頃だったが、一方グループサウンズやフォークソングが全盛で、たくさんの若者がギターを片手に歌を歌っている時代でもあった。

特にブルーコメッツ、タイガースなどのグループサウンズは人気が高くて、一世を風靡したと言ってもよいのだが、そんな商業主義の上に乗っかった音楽とはちょっと異質の学生グループ、フォーククルセダース(フォークル)が登場したのが67年ころだったように思う。

彼らの歌った「悲しくてやりきれない」や「イムジン川」は私たちのもっとも愛する歌になった。イムジン川は発売が禁止となったのだが、耳コピで広がり、私も仲間と作ったグループでよく歌ったものだった。また、悲しくて、の最初の♪「胸に~しみる空の輝き」で、私はたぶん初めてギターでB♭のコードが弾けるようになった。もちろん今でも、両曲とも「そら」で全部歌える。(はず)

自分の気持ちや考えや、社会や権力に対する思いや願いを歌にして他者に伝え、共有することができる、このことはとても新鮮だった。これはフォークルが私に教えてくれたことだったと言ってもよいと思う。
(本当はもっとマイナーだけれど、メッセージ性の強い歌い手もいた事をあとで知るのだが、当時中学生のわれわれにはそれは届かなかった。)

彼らの曲の中で「青年は荒野をめざす」という歌がある。知らない人も多いだろうが、「ひとりで行くんだ、幸せに背を向けて」で始まるこの曲がなかったら、東京を離れて、山形の小さな学校にくることはなかったかもしれないなと思うこともある。この曲のコード進行で、F→Dで終わる終わり方は、拙作にも使わせていただいている。

この曲の作曲者でもあり、フォークル中心メンバーだった加藤和彦さんが亡くなった。
人は必ず別れていくものだが、その早すぎる死、ほんとうに悲しくてやりきれない。
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by oguni-folke | 2009-10-19 11:04
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