60年代の終り、私の中学校時代は、フォークソング全盛時代で(グループサウンズ全盛ともいえるけれど)、ギターを弾いて歌を作ることを私が始めたのもこの頃だった。
私が一番影響をうけたのはフォーククルセダースで、前にも書いたかも知れないが、彼らの歌っていた「イムジン河」は(発売禁止となり)、私が「歌」に目覚めるきっかけともなった。このグループはすぐにぱっと解散してしまったが、最後のシングルで「青年は荒野をめざす」という歌がある。(1968年12月5日発売・私の中三の冬) 東京の中学での親しかった友だちや、備えられた道を離れて、一人山形に行こうとしていた私の心にぴったりの歌となった。荒野をめざして一人行くんだ!と舞い上がっていた15の私。後にこの話をすると、山形の友人たちは「ここは荒野か!」と憤慨するが、当時の私にとって、やはり行き先は「荒野」でなければならなかったのだろう。 余談だが、あとからグループに加わったメンバーの一人、はしだのりひこは、中学時代から京都の世光教会に出入りしていて、牧師のちいろば先生(榎本保郎先生)ご夫妻にもずいぶん可愛がられたらしい。後に売れっ子になったころ、今治に移った先生の教会を訪ねて歌ってくれたと、奥さま(和子さん)より昨年うかがった。 それから45年以上の時がたって、荒野は今は山形の当時の僻村ではもちろんなく、ネパールでもアフリカでもなく、むしろこの日本人のこころの中にあるように思えてならない。 60歳を超え、「(老年は)好爺をめざす」ような年齢になってしまったが、いやいやまだ余力があるのだから、あのころのように、荒野をめざしたいと思っている。 #
by oguni-folke
| 2015-07-06 09:29
以下の内容が回ってきました。
強く賛同しますので、ここに載せます。 *** 今、澤地久枝さんの緊急呼びかけで、7・18『アベ政治を許さない!!』ポスター行動が急速にカクサンされています。 これを読まれた方で、ご賛同くださる方は可能ならぜひ知り合いなどに広めてくださるよう、この取り組みにご参加をお願いいたします。 ********************************************************** 澤地久枝さんが緊急の呼びかけ 澤地久枝の提案 アベ政治を許さない!! 7月18日(土)午後1時きっかり 同じポスターを全国一斉にかかげよう 呼びかけ文とポスターを添付します 呼びかけ人(6月29日現在) 瀬戸内寂聴 金子兜太 落合恵子 小山内美江子 小森陽一 鳥越俊太郎 渡辺一技 朴慶南 小出裕章 池澤夏樹 窪島誠一郎 崎山比早子 いせひでこ 小林節 石原昌家 浦田一郎 西山太吉 むのたけじ 村田光平 横湯園子 椎名誠 上野千鶴子 なかにし礼 高畑勲 松元ヒロ 浅田次郎 日野原重明 湯川れい子 佐高信 鎌田慧 雨宮処凛 森村誠一 宇都宮健児 浜 矩子 池田香代子 神田香織 福島瑞穂 照屋寛徳 志位和夫 古賀茂明 山口二郎 豊島耕一 柳田邦男 加藤哲郎 武藤類子 木内みどり 林郁 妹尾河童 黒田杏子 石原昌子 玉井史太郎 坂田雅子 宮子あずさ 高橋哲哉 上原公子 大石芳野 もろさわようこ 河合弘之 渡辺治 中野晃一 早乙女勝元 澤地久枝 #
by oguni-folke
| 2015-07-01 15:11
昨日(26日)の夕方、私の山形の家の庭に熊が出た!と隣接する子ろばの家に住む忍さんから連絡が来た。「たった今!」だという。
前回は2004年の6月だったから、11年ぶりの来訪ということになる。ただ、これまでだって私たちが気づかなかっただけで、ちょくちょく来ていたのかもしれない。たわわに実った桑の実を食べていたという。 猛獣ではないので、突然の遭遇さえなければそう怖がることもないのだろうが、やはり念のため、来ないでねのしるしとして「大きな音で音楽でもかけたら」ということになった。 さっそく忍さん、今朝から大音響で私のCD「主はわたしの歌」をかけるという。とうとう私の音楽もクマ除けにも活用されることになった。 ただ一つ心配は、森の学園の子どもたちの歌やヴァイオリンの素敵な音色に、熊もうれしくなって聴きに来るのではないか、ということだが、ま、そんなこともないか。 今夜はこの歌を、この夏韓国に行く中高生たちと歌うことになっている。 #
by oguni-folke
| 2015-06-27 18:37
私の勤める土浦めぐみ教会は桜川のほとりに立っている。それほど大きな川ではない。大声を出せば、向こう岸とも対話ができそうだ。河岸には桜がずっと植えてあって、春は特に美しい。2キロほど下流の霞ヶ浦に流れ込んでいるようだ。
この桜川が、私が生まれる前、1950年に氾濫した。その大洪水が私の人生に大きな意味を持つことが最近わかって驚いている。 もし、の世界にはなるが、もし私が独立学園で、桝本先生ご一家と出会うことがなかったら、音楽の道に進むこともなかっただろうし、そもそも独立学園に桝本先生ご一家がいなければ、独立学園だって今の形で存在しているかどうかも怪しい。 藤尾正人著「一世紀はドラマ」によれば、桝本うめ子先生が、茨城で開拓を始めた忠雄先生ご一家のもとにやってきたのは、1946年の初秋、『あたくし(うめ子先生)は常陸藤沢の駅に降り立ちました。そこは真後ろから筑波おろしが吹きつける場所でした』とある。当時の新治郡藤沢村は今は土浦市に合併されているが、1987年に廃線となったつくば鉄道のこの駅は、今でもサイクリングロードの休憩所としてその姿を残している。 もと常陸藤沢駅 桝本先生ご一家が、華子先生のご兄弟家族と共に戦後開拓に入ったこの場所は、教会からも、今私が住むつくば市からも4、5キロの場所で、車なら6、7分で到着するほど近い。 ここで5年間、先生ご一家は畑を作りブタを飼い、地域の人たちとも親しく交わったようで、日曜学校も開いていたと記録されている。開拓を茨城でされていたことは何度もうかがっていたが、その場所がこんなに近い場所だったとは! ようやく農業が軌道に乗り始めた1950年の8月、この地方を襲った大雨により桜川が氾濫、5年間切り開いた農地も何もすべて流されてしまった。その結果、桝本先生ご一家は、間もなく独立学園に行くことになるのだ。 今はただ水田が広がっている開拓地と思える場所に車を止めて、あたりをみわたした。桝本先生ご一家が夢を追った場所がここにあると思うと胸が熱くなる。その夢は濁流に呑み込まれたが、洪水という不幸と思えるできごとによって、私だけではなく、多くの独立学園で学んだ人たちに大きなめぐみが与えられた。この不思議を、私たちは偶然とは呼ばない。 #
by oguni-folke
| 2015-06-25 17:09
フォルケが始まった年に、ゴーバルの石原真木子さんが寄せてくれた暖かな文章を紹介しよう。ゴーバルを始めた4人のメンバーの中で、最も不真面目だったのが私。天の国での再会を期待しつつ。
*** 独立学園時代のこと。3年生になったばかりの4月、6時の起床前に同室の一年生を起こし、男子寮の裏の山に登った。その朝はよく晴れて、しみ雪になったのだ。朝作業も朝食もさぼりだ。てっぺんに出ると真っ白に輝くサルッパナの山。ぐるりとパノラマの様に山々に囲まれた。 「ね、すごいでしょ。すごいでしょ。」と、私は得意になって、秘密をうちあけたような快感を感じたのだ。私たちはウサギかリスになったみたいに雪のうえをはね回り、そしてこっそりと部屋に戻った。卒業してからもらった手紙に、同室の彼女はその時のことが忘れられないと書いていた。いろいろ危なっかしかった十代後半のあの頃、叶水の暖かくて厳しくて、ゆるぎない自然にどんなにか支えられ、そして慰められたことか、、。 2001年、毎日降り続く雪との闘いだった小国フォルケの冬も、もうすぐ終わろうとしていますね。きっと、どんな小さな春のしるしも、喜びになり感動となることでしょう。 その感動を人から人へ伝えあう営みが、生きる力を生み出すのかもしれない。私の大好きな叶水の隣に、小国フォルケがあることがうれしい! 独立学園で、まじめに、あるいは不真面目に3年間を過ごした4人のメンバーが、なんとなく集められて始まった「アジア生活農場ゴーバル」も21年目に入った。趣味の牛飼いや羊飼いをした時期もあったが、細々と手作りのハム、ソーセージを作ってきた。叶水のような豪雪地帯ではないが、ここ串原村も相当なドいなかで、冬の寒さは厳しい。でも澄んだ空気と水が私たちのハムつくりの未熟な技術を補ってくれ、豊かな自然が子どもたちを育ててくれた。そして、仕事と生活がごちゃ混ぜで、子どもが工場の中を走り回ったりするなかで、たくさんの個性的な若者たちが、それぞれの時間を共に過ごしていった。フォルケとゴーバルは言わば兄弟分のようなものかもしれない。新しい春に、新しい出会いと感動が与えられますように。 2001年 石原 真木子 #
by oguni-folke
| 2015-06-06 12:46
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