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北海道の旅 その2 少年でなくても 

札幌をふりだしに、余市~せたな~函館と旅を続けてきました。

28日

朝、娘と北大校内を歩く。ポプラのわたげ?が朝の光のなかでとびかっていて美しいが、吸い込むと大変そう。
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札幌で時間があるときには、たいていここに来るのだが、いつ来ても大学構内とは思えない静けさとすがすがしさがある。かえりがけ、一応クラークさんにもご挨拶。

クラーク博士、この人が日本に来なかったら、多分今の私はいない。その理由、クラークさんと独立学園との深いつながりを簡単に説明しよう。

クラークさんは札幌農学校(北大の前身)の1期生に向かって、別れのことばとして「少年よ大志をいだけ」と語ったとされるが、その直後に入学した2期生にもそうそうたる顔ぶれがいて、新渡戸稲造もその一人だし、独立学園の本当の意味での創設者である内村鑑三もその中にいた。場所まで山形県の小国と指定して、そこに純粋なキリスト教を伝えたいと願った内村の夢・アンビシャスを、弟子のひとりが生涯をかけて実現し、ほかの弟子たちがそれに協力をしてできていったのが独立学園なのだ。そしてその支流とも言える(と私が言っているだけ?)わが小国フォルケにも、その流れの一滴は届いている。

というわけで、内村鑑三が私にとって、祖父ならぬ「じいちゃん校長」とすれば、クラークさんは祖祖父ならぬ「ひいじいちゃん校長」ということになる。ちょっと強引か。
Boyではとうになくなったけれど、小志でもいいから死ぬまでアンビシャスは持ち続けたいなと、クラークさんの前で。

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昼には余市に。前から来たかった、若い友人、独立学園の後輩、村上君の「いのちの園」を訪ねた。荒れた土地を切り開いて、今ではそこが萱地であったことなど信じられないような美しい農場になっていた。
彼らの歌も一つ聴かせていただいた。(あしたという歌)近々CDもでき上がるのだという。
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この近くには、牧野さんといって、まさに宮沢賢治の「農民芸術概論」をそのまま生きているようなすごい人がいて、かつてフォルケでも演奏会を開いていただいたこともあるのだが、今回はお目にかかる時間がなくて残念。

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午後は海沿いの道をひた走り、夕方にはせたな着。

ここは16歳の夏、ほんものの少年だった時に初めて訪れた場所。それから42年がたった。

つづく
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by oguni-folke | 2012-06-30 05:10

消費税

消費税そのものは税の一つの形だし、その仕組みそのものが悪いわけではないだろう。
北欧の国々は消費税はべらぼうに高い。ノルウェーではたぶん25%くらい。120円程度のペットボトルジュースを買うと30円はプラスされ、さらにリサイクル費(ペットボトル1本10円分ほど、スーパーなどに返却するとその分が返ってくる)も加算されるから160円ほどになる。高いなあ、という感じは否めない。


でも彼ら北欧の人たちは、その社会の仕組みを、もうずっと維持している。なぜか。

それはたぶん、それによって集められた税金が、自分たちに還元していること、弱者を救済したり、医療や教育、福祉などに活用されていることを知っているからだろうし、また、そもそも政治家(国家)を、おおむね信頼しているからではないだろうか。
貧富の差、職業間の賃金格差が比較的少ないのも一因かもしれない。


さてさて日本。

今消費税が本当に必要か、という議論よりも、この混迷した政局の中で、どうやったら政治家として生き延びられるのか、「来年も国会議員していたいなあ」みたいな、私利私欲だけで反対投票しているような人がいる気がするのは、私だけ?賛成している人の後ろには、黒幕とか、大財閥がいそうだし。少なくとも弱者の視座はないことだけは確か。

消費税は、もっと信頼される政治家が、みんなが納得するような透明な使い道で使うのなら、受け入れられるのではないだろうか。そうなるまでには、まだ遠い遠い道のりかな。
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暑い札幌に来ています。27度もあるとか。

夜は北海道合唱団のお二人と「夜の打ち合わせ」でした。札幌駅前の「釧路」で。もちろん真面目な打ち合わせです。11月の演奏会に向けての取り組みについて暑く、いや熱く。

途中から札幌に住む娘も加わって4人の打ち合わせに。

今日(28日)は余市経由で瀬棚まで行きます。瀬棚では修学旅行生が各農家に分かれて、豪快な18泊19日の修学旅行の中心に位置する「酪農実習」中です。
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by oguni-folke | 2012-06-27 17:36

点数ではない教育

25日

年3回ほどに回ってくる独立学園の朝礼当番でした。10分~15分くらいのスピーチをするのですが、迷ったあげく、テーマは「ほんとうの学び」

27年前に「点数序列のない学校」としてスタートして注目された自由の森学園ですが、この独立学園は65年にわたって反点数教育、受験勉強ではない教育を求めて歩んでいたわけで、その点についてはまさに老舗。

しかし、自由の森学園が、点数がないのなら何があるのか、つまり授業や学びの質「ほんとうの学び」を求められ続けているのと同じように、この独立学園にもそれが言えます。

かつて、とっぷりと「点数温泉」につかっていた私がここに入学した時に、数学や自然科学や歴史や、結局そういった学びをほとんどすることなしに過ごしてしまった私自身の後悔の経験も伝えながら。

ほんとうの学び、それはきっと楽しいけれど、求め続けることはなかなか大変ですね。教師も生徒も、いつも問われ続けます。

夜は新潟のK家での小集会でした。仙台・石巻で被災をされたご夫妻も含め、それぞれ重たい課題を抱えつつも、それでもその中から希望を見つけて歩もうとされている方たちの、暖かな集まりでした。歌も2つ交えて。

この集まりにつながっていて、すでに地上にはいない何人かの若者たちのことも思いながら深夜家に戻ると、フォルケにつながっている青年からメール。がんばりすぎないで、君の道をゆっくりと、ネ。生きているだけで100点!

おっと点数を付けてしまったか。でもほんとだよ。
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by oguni-folke | 2012-06-26 08:56

土田牧場・風と光の大地の恵

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教え子、という呼び方はどうもしっくりこなくて、言うのは気恥ずかしいのですが、この写真には教え子が3人。今や「食」の世界で大活躍中の「やまけん」さん(自由の森2期生)が、秋田の土田牧場を訪問した時のもの。この写真の若い2人は独立学園45期生のつっちーとひさこちゃん。(やまけんさん、写真使わせていただいています!)
やまけんブログ



独立学園の一つのクラスは25、6名なのだが、過去40年間一クラスから平均2組の夫婦が生まれている、というのが、フォルケリサーチ社の調査結果。私が独立学園で唯一担任をさせていただいた45期生にも2組、その一つがこの2人。

ま、そんなことはどうでもいいが、その若い2人が働いている土田牧場(彼らの家だが)が、明日から全国のTVで紹介されるというので楽しみにしている。

テレビ朝日では、24日朝6時~6時半  「学びEye!」 風と光の大地の恵 ~ 自然放牧での極上の牛乳
山形放送では7月6日午前10時55分~11時25分 そのほか全国各地で
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by oguni-folke | 2012-06-23 05:01

仮設で歌う2

報告の続き

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        お姉さんは本を読んでくれました。楽しいな。
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      自治会長役の畠山さんの、津波の生々しいお話を聴く高校生たち。

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        「元気でいってけらっしゃい。きょうはありがとさん。」

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         さあ、出発!次は盛岡の先、こどもの森へ。


歌った歌「見上げてごらん夜の星を」「はたるこい」「線路は続くよどこまでも」など知っている歌を中心に。でも現実は、線路はどこも寸断されていて、残念ながら続いていません。この現実を高校生たち、しっかりと見て、胸に刻みました。

最後に「生きる」(前日も仙台で2度歌ったとか)。伴奏は小さなキーボードでしたが、みんなは精いっぱい歌いました。生きているということ 今生きているということを。
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by oguni-folke | 2012-06-22 05:43

仮設で歌う

独立学園生の修学旅行の応援で、南三陸町(旧歌津地区)の平成の森仮設住宅へ。
ここは気仙沼小泉地区にも近く、昨年何度も通った場所でした。

ちょっと入るとまだ現状はこんな感じ。
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仮設住宅の掲示板に案内が。さて、何人集まってくれるでしょうか。
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交流会のまえの練習 すでに待ちきれないおばあちゃんが
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40名ほどの方が参加をしてくれて、歌の後はこうしてお茶っこタイム。高校生たちと仮設の方たちとの楽しい歓談の風景を見ながら、私に胸にはこみ上げるものがありました。

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往復8時間、ちょっと疲れたし、残した仕事もたくさんでしたが、私にとってたいせつな一日でした。
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by oguni-folke | 2012-06-21 20:57

もう一つの終戦記念日

「武、ここだけの話だけれど、父が死んだ。それがどうも米軍ではなく、日本兵に殺されたらしいのだ。」

防空壕を掘る2人組のもう一人、沖縄出身の○○君が狭い壕のなかで、声を潜めて言った。
ときがわで父から聞いた話。

沖縄慰霊の日が近づいた。終戦の日といえば8月15日だと思っていたが、それだけでは間違いだと知ったのは大人になってから。ちょうど6月の今頃、沖縄は激戦のさなかで、ほんとうに多くの人たちが亡くなった。

ひめゆり部隊の少女たちは、母と同世代。戦後5年たって、その悲劇を組合で呼んだ沖縄の人から聞いたという母(当時小学校の教員)は「嘘だ!」と思ったのだという。その話に私は驚く。子どもたちに教えていた教員が、5年も沖縄を知らなかったということに。

それから67年(三分の二世紀!)がたっても、ヤマトの私たちから「オキナワ」ははるかに遠い。その悲しみや痛み。
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by oguni-folke | 2012-06-20 05:19

石窯パン

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ブログを見て参加してくださったHさんも一緒に、みんなで石窯でパンを焼きました。パソコンの向こうにも、おいしいにおいがしてきませんか?

明日早朝に3年生は修学旅行に出発予定、無事に出発できるかな?
明後日南三陸の仮設住宅での交流会に、私も参加予定です。
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by oguni-folke | 2012-06-19 21:05

親子

17日

小国への帰途、コロニーで年に2回の家族会に参加。

12年も通っているから、親も子もそれぞれ知っているのに、今日初めてそれが結びついたという組み合わせがいくつかあった。「そうか、この人の親があの人だったのだ!」という感じで。

家族、特に親が来てくれるというのは特別のことのようで、利用者さんたちの表情がいつもと明らかに違う。無表情だったAさんが、かすかに甘えている表情をしているし、笑顔なんて見たことのなかったBさん、どう見ても微笑んでいる。そして、目の見えないCさんが、珍しく声を上げて泣いている。彼はもう70代、親はもちろんいない。

親子とはなにか。これは、フォルケを始めるずっと前から、そしてフォルケが始まってからは特に、いつもこころに響いてくる疑問。

なんでもない親子もあれば、そうではない親子もある。その絆にこそ救われている人もいるし、その不思議な鎖に絡まって命さえ落とす人もいる。子にとって大きな不幸の原因でもあり、時には救いの最大のよりどころでもある。戦場であり、憩の場であり、あらそいであり、やすらぎであり、、、

親子とはなにか。
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by oguni-folke | 2012-06-18 22:34

あのころの風が

松井幹夫さんをしのぶ会

16日 自由の森学園体育館

いい会だった。すでにここ 自由の森日記に報告されているが、回顧に終わるのではなく、託されたバトンの意味をそれぞれが深く受け止めて、希望につながる会だった。

松井さんは、まだやりたいことがたくさんあって、去っていくのは悔しかったようだが、その思いはしっかりと皆に伝わった。

松井さんの2人の娘さん、エイコさん朝子さんの話、それに朝子さんのパントマイムが特に印象的だった。会の終わりは在校生卒業生によるケサラ。平和と自由を求めて生きた松井さんが、きっと一緒に歌っていたことだろう。

懐かしい卒業生たちにも会えた。彼らは今、一緒に自由の森の1年めを歩んでいた私の年齢(30歳~)をとうに超え、40代の前半に。それでもこの場所で彼らと会うと、どこからかあのころの風が吹き抜けていくようだった。
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by oguni-folke | 2012-06-18 09:00