だれもいそがない村

                   岸田 衿子
あの丸木橋(まるきばし)をわたると
だれも いそがない村がある

まめのつるに まめのはな
こうしのつのに とまる雲

そのまんま そのまんま
かげぼうしになる 村のはなし

以下略

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岸田衿子さんが先月亡くなった。

この詩のような世界で生きた方だとうかがったことがある。独立学園にも興味をもたれていたようで、ここにいらしたこともあるようだ。岸田さんのこの詩、誰もいそがない村、寺島尚彦さんのすてきな曲もついている。先日のブログ、丸木橋のタイトルはこの詩からいただいた。

今朝も配達の後、避難所をたずねた。小さな子どもを持つ親はそれでも明るく歩みだしているが、老人、大人たち(特に男たち)のまなざしが、だんだん光を失ってきているような気がして心配だ。
やることがない。帰る家がない。

寺島さんの名曲「サトウキビ畑」からの引用だが、この悲しみは消えない。

この悲しみを、子どもや孫たちの世代に再び経験させないためにも、誰もいそがない村は、原発事故を経験した私たちがこれから生きていく、ひとつの方向を示している。

みんなであの丸木橋を渡りませんか。せめて心の中だけでも。
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by oguni-folke | 2011-05-23 16:54
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