11月15日
私たちの道を照らすともし火は細く小さくて、あまり遠くは照らせないけれど、少なくとも足元だけはぼんやりと見える。恐れずに、いや恐れながらも、まずその一歩を踏む出すことができたら、次の一歩がまた見えてきて、あるときには次の世界が見えてくるのかもしれない。
そんなことに改めてうなずかせてくれる、うれしいできごとがあった。一人の青年のその小さな一歩が、次につながることを祈りたい。
そして、目の前の一歩を踏み出すことができずにいる別の青年の上に、その勇気が与えられることもあわせて祈りたい。
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今日は14歳だった私が、小国町にはじめの一歩を記して42年になる記念の日。その一歩が何十歩、何千歩になった。こんなに長くここに生きることになるとは。
42年前とおなじように、夜には冷たい雨が降り、朝には霙になった。
かつての市野々集落はこの湖の底